たまりば

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2011年07月18日

「それでそのまま調和なのだ」

今年の2月だったかなー、日本橋高島屋でやっていた「河合寛次郎展」に行ったのは。

たまたま招待券貰っていたからという、すっごく単純な理由だったのですが、一歩入ったら
魅了されて、その世界に一気に引きこまれた。

陶芸家

で、

彫刻をやったり絵を書いたり随筆も書く。

誰の評価を得ようともせず、ただ自分にだけ忠実にあろうとした人。

外の評価ではなく、真実をだけ追い求めた人だったのだと思う。

たくさんの言葉を残していますが、私が初めて目にしてそこに立ちすくんでしまった言葉が

版画に描かれていた

「この世このまま大調和」でした。


この言葉はいつも目につくところに置いておきたくて、
絵葉書を買ってパソコンの真上に飾ってあります。

「それでそのまま調和なのだ」



文庫にもなっている河合寛次郎著「火の誓い」の中に、この言葉が浮かんできた時のことが詳しく書かれいてます結局は目に見えるものは全てが全て、自らが作りだしているということを全身で理解出来た瞬間だったのかもしれません。

「その日もまた警報がひんばんに鳴っていました。私は新日吉神社の近くの木立の舌のいつも腰かける切株に腰かけて、暮れてゆく町を見ていました。明日は再びみることのできないかも知れないこの町を、言いようもない気持ちで眺めていました。
 その時でありました。私は突然一つの思いに打たれたのであります。なあんだ、たあんだ、何ということなのだ、これでいいのではないか。これでいいんだ。これでいいんだ。焼かれようが殺されようが、それでいいのだ。-それでそのまま調和なのだ。そういう突拍子もない思いが湧きあがってきたのでありますす。はっきりと調和という言葉を私は聞いたのであります。
 なあんだ、なんだ。これで調和しているのだ。そうなのだ。-と、そういう思いに打たれたのであります。」

「火の誓い」深い言葉にたくさん触れることが出来ます。
お勧めです。



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     ブログ塾に出席中! (2011-06-25 16:29)

    この記事へのコメント
    コメント欄で初めまして。ブログ塾2回目から参加いたしております。
    このインパクトあるブログタイトル、河合寛次郎の言葉だったんですね。焼物好きの自分。民藝運動の陶芸大御所のお一人という認識はあったのですが、他にも色々な創作活動があったんですね。
    お薦めの随筆集も読んでみます!京都の記念館にも行ってみたいです。
    Posted by エルダベリイエルダベリイ at 2011年07月20日 06:32
    miiです。こんにちは。
    河合寛次郎さん、聞いたことあるなーと思ったら、足立美術館(島根県安来市)に展示がありましたね。
    私の実家が島根にあるのですが、この美術館はほんとに素晴らしいのです。
    展示も日本画や陶芸などの日本の作品が多く、
    日本庭園も素敵です。
    日本にうっとりするような空間です。

    土曜日にお会いしましょう!!
    Posted by miimii at 2011年07月20日 16:17
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    「それでそのまま調和なのだ」
      コメント(2)